芸術監督挨拶 TETSUYA KUMAKAWA

TETSUYA KUMAKAWA

バレエは踊り、文学、音楽そして絵画といったさまざまなジャンルが融合した総合芸術です。当然、一朝一夕にして出来るものではなく、多くの偉大な諸先輩方の才能と努力が積み重なって形作られた伝統の上に成り立っています。

私は帰国に際し、それまで定着していた日本の旧態依然としたバレエ教育の惨状に唖然としました。バレエ教師として国家資格が承認されていないこの国においては、舞踊家としての基礎の無い、言ってみればバレエが好きな趣味の方までがしっかりとした教えの知識も無くスタジオを開き、教育に携わっている。その様な状況だったのです。
その状況を見るにつけ、私は誇り高きバレエ文化を継承している者の義務として、次世代の才能ある芸術家を一人でも多く見出さなければならないという思いを強くしていました。
そして2003年、K-BALLET SCHOOLを開校する運びとなったのです。

情報の共有が活発になった昨今、国境を一瞬にして越え、グローバル化されたバレエ芸術を伝承するカリキュラムや教師たちにも、厳しいジャッジメントが必要とされます。
当スクールに於いては、私自身がこれまでダンサーとして築いてきた経験に基づく独自のメソッド“Kumakawa Method”を基本に、舞台人として習得しなくてはならない要素を取り入れ、さまざまな角度から子供達に接し潜在的に秘めている芸術的センスを見出し伸ばせるようカリキュラムを組んでいます。
また、私はKバレエカンパニーのダンサー契約の中にTTC(教師トレーニングコース)を義務化する項目を設けています。それはダンサーキャリア終了後、本来あるべき姿の教師を少しでも多く輩出したいと考えての事であり、私のバレエ理念を他のダンサーが継承し、生徒に伝達出来るような仕組みが将来のバレエ文化の為だと考えているからです。

将来、プロのバレエダンサーとして成功するという事は、バレエのステップをマスターしただけで良いというような甘い世界では有りません。時代はますます本物だけが残る時代になるでしょう。
子供たちも日々闘い、葛藤し、涙を流しながら才能や努力、センスや運といった沢山の課題をクリアし、舞台に上がって行きます。
そうした限りない可能性を持つ子供たちに、世界に通じるバレエ教育を。
K-BALLET SCHOOLはバレエ芸術文化に対する深い理解のもとに、高い表現、芸術性を兼ね備えた次代のバレエ・ダンサーを育成して参ります。

Kバレエ カンパニー 芸術監督 熊川 哲也