ご挨拶

熊川哲也

2003年に「次世代の才能ある芸術家を一人でも多く見出す」という思いのもと開校したKバレエ スクールも、今年(2013年)で早くも10周年を迎えます。この記念すべき年にKバレエは、また新たな地平を目指し挑戦を続けます。

10年という年月は、スクールを運営するにあたり、スタッフや私自身が新たに得た経験値や思いが蓄積され、確固たる地盤の成り立ちが見えた一つの区切りのように思えます。

バレエスクールの存在はいわば、バレエ文化を根付かせるための土壌を耕す、ファースト・ステップにあたると考えています。そして、そのスクールの体系がある程度確立した中で、次に目指すものは「生徒」から「プロフェッショナル・ダンサー」への架け橋となるセカンド・ステップを創出することだと私は以前より思っていました。10周年という記念すべき年は、スクールでの実績や成長を日々実感する中で、次のステップへと歩を進めるにふさわしい起点になると考え、今回新たにこの「Kバレエ ユース」を設立するに至りました。

「Kバレエ ユース」は22歳までの若手ダンサーを対象とし、プロフェッショナル・ダンサーが踏む舞台と、ほぼ同内容で公演を行います。すなわち、厳正なオーディションによるメンバーの選定。公演はフル編成のオーケストラによる生演奏で行われ、舞台美術・衣裳はKバレエ カンパニーが実際に公演で使用しているものを使用。そして会場は数々の名門カンパニーが歴史を作ってきたBunkamuraオーチャードホール。限りなくプロフェッショナルに近い環境を新たに用意することで、才能ある芸術家が開花し、見出される機会を今まで以上に強固なものへと変容させていきたいと思っています。

舞台空間とは不思議なもので、プロフェッショナルと同様の場に身を置くことで普段とも、また違った輝きを発するダンサーもいます。そしてなにより、きちんとした実践の場を一つでも多く創出することは、演じる側にとっても、観る側にとってもバレエという文化的土壌をさらに広く、肥沃なものへ推し進めることに繋がると確信しております。

年月をかけ耕した土壌から、輝かしい青葉が誕生、成長し、プロフェッショナル・ダンサーという何物にも代えがたい才能として世に出ていく姿を見届けて頂ければと思います。


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